発達障害の子どもを持つ親御さんの悩み⑦
発達障害のお子さんを叱る際、適切な方法を知ることは、お子さんの成長にとって非常に重要です。叱ることは、ただ行動を制限するだけでなく、社会的なルールや適切な行動を教える機会でもあります。
いくつかのアプローチとポイントをまとめました。
1. 叱るタイミングと場所を選ぶ
すぐに、簡潔に: 問題が起きたら、できるだけその場で、すぐに叱りましょう。時間が経つと、何について叱られているのかお子さんが理解できなくなることがあります。
落ち着いた環境で: 感情的になっているときや、公共の場など、他人の目が気になる場所で叱るのは避けましょう。お子さんのプライドを傷つけたり、混乱させたりする可能性があります。
2. 伝え方を工夫する
具体的に、わかりやすく: 「ちゃんとしなさい」や「いい子にしなさい」のような抽象的な言葉は避け、「おもちゃは片付けようね」や「順番に並んで待とうね」のように、何をしてほしいのかを具体的に伝えましょう。
肯定的な言葉に言い換える: 「走っちゃダメ」と言う代わりに、「ゆっくり歩こうね」と伝えることで、お子さんは望ましい行動を理解しやすくなります。
視覚的なツールを使う: 絵カードやホワイトボードに文字や絵を書いて説明することで、言葉だけでは伝わりにくいルールを視覚的に補うことができます。
3. 感情をコントロールする
冷静に、穏やかに: 叱る側が感情的になると、お子さんも不安になったり、反発したりすることがあります。深呼吸をして、落ち着いたトーンで話すように心がけましょう。
なぜダメなのかを伝える: 「なぜその行動がいけないのか」を、お子さんが理解できる範囲で簡潔に説明します。「お友達を叩くと、お友達は悲しい気持ちになるんだよ」のように、行動の結果を教えることで、他者への共感を育むきっかけにもなります。
4. 叱る以外の方法も組み合わせる
事前にルールを決めておく: 「ご飯の前には手洗いをする」のように、日々の生活の中で守ってほしいルールを事前に共有し、可視化しておくと良いでしょう。
良い行動を褒める: 叱るだけでなく、「お手伝いしてくれてありがとう」など、良い行動を積極的に褒めることで、お子さんはどうすれば褒められるかを学び、自信をつけることができます。